こざこざるつぼ

こざこざしたものを、るつぼに入れてくよ

11月3日 前夜祭

廊下が私たちのフィールド。

 

文化祭、毎年芸術専門学群一年生はカフェを出す。いわゆる女装カフェで、そこにオプションやらグッズやらチェキやらがついている、人間版猫カフェ(えぐい)。友人に装飾班のリーダーになることをやたら薦めまくり、その時に私も装飾班に入るなどと言ってしまったのだ。ついでに、人が足りないとラインで募集していた調理班にも入っているのだがバカかもしれない。

カフェの運営には十分関わっていなくとも、かなりクオリティの高い廊下の装飾になったと自負している。メンバーは私を含めて四人。うち二人は書道専攻でデザイン専攻の私とは顔を合わすことなどほぼ皆無であり、普段あまり話す機会のないメンツだ。

初めて顔合わせ兼会議をした時はそこそこいい雰囲気だったもののやはりぎこちなかった。ただ私はゲイ専というだけで随分ハードルを低く感じてしまっていたので、気負いなく話せたのだ。それだけでも十分だった。

デザインはサクッと決まったのだが、三週間前、二週間前の土日に台風が直撃し、何もできなかった。しようと思えばできたかもしれないけれど、私は製図課題や盆ライブのサンクスパーティーやアートバス研修会なんかで忙しかった。あまりに製図が終わらないので、武蔵野美術大学文化祭に行けず、代わりに台風の中デザイン部屋を抜け出して髪をバッサリ切った。20センチは切ったんじゃなかろうか。翌日に抗議であった人たちがあまりにいいリアクションをしてくれるので気持ちよかった。

 

軽い頭だと、よく動きたくなる。両頬で黒いものがかすめて面白い。そんなテンションで廊下班でもいたわけだが、こんなリーダーによくついて来てくれたなあと思う。

文化祭の直前にいきなり動き始め、バーっと買い出しに行った。ダイソーやセリアを渡り、課題をほっぽいて学校の閉まる夜9時までずっとダンボールに木目調のリメイクシールを貼っている。楽しかった。こんなに楽しくていいのかというほどに。

 

結局、前夜祭の朝から11:25まで私は製図課題をしなければならなかった。11:30に提出だったので、随分心配されたし茶化されたのだ。笑ってしまう。それでもできなかった小物製作は廊下班の別の人に丸投げしてしまった。ごめんね。

荷物を置いていた部屋が展示室になるということで、大急ぎでダンボールやこざこざしたものを会場教室のある5階に運び込んだ。もうダンボールは立派な木箱にしか見えない。それを積み上げて壁にし、鏡には猫耳を貼り、黒猫の置物を作り、看板たてを加工し、入り口の札を作り、ネオンを貼り、暗幕で覆う。やることは無限にあった。

通りがかりの人や仕事があるか聞いてくれた人には遠慮なく仕事をぶん投げた。それでも一定以上のクオリティで帰ってくるのだから芸術専門の学校はありがたい。

結局廊下だけ今日中に終わった。それでなんでか、内装の指示まで出していて、でしゃばりがひどい。