こざこざるつぼ

こざこざしたものを、るつぼに入れてくよ

11月27日 めも 

なんとかこうにか生きているといった体で、なんともスマートでない。
スーッと窓の外を、鷹かわしか、とにかく美しく羽を伸ばした大柄な茶色い鳥がよぎったのだ。
その非現実さが、ここでは日常だと言う衝撃が、いかに自分が人里に埋没していたかを深々と感じさせた。
しばらくすると急に大きな川が見えた。
清流とはとても言えない。
緑色の諾々とした川だが、その苔むした感じが全くネバつきを感じさせない、さらっとした水だった。

雨の向こうで、私を待つ人がいる。
電波も何もたない彼女は、私のためだけに味噌汁を作っている。
夜のせめぎあいの中で隔絶されたその暖かな家を求めて、私は今日も夜のお散歩を夢想するのだ。だけれども、どうしてだか、シーツから一歩も動けないで、電波だけを頼りに今日も彼女へいけない旨を伝えている。
いつまでも伝わらないままだ。でもそれでいいんだ。
彼女はいつまでもいつまでも、私のことを待ってくれている。
面倒でも、継続するための手段を講じる必要もなく、ただ私が来るのを待つ彼女のことを、私は考え続け、思いはせ続けている。